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ローズマリー

海のしずく


ローズマリーという名前、不思議に思ったことありませんか?

ローズに関係ないしローズの仲間じゃないのにどうしてローズという名前がついているんだろう。

魔術から化粧品、厨房から医薬まで

エピソードはいくつかありますが、学名のRosmarinusと聖母マリアに関係の深いハーブという逸話から、マリア様のバラ rase of maria と呼ばれるようになり、学名と音が似ていることからRosemaryと呼ばれるようになったそうです。

学名のRosmarinusは海のしずくという意味で、海の近くによく生育し、青い小さな花がしずくを散らしたように見えることなどが由来しています。

過去に訪ねたハーブガーデンは海岸線に沿った場所にあり、周囲をすべてローズマリーの生け垣で囲っていたので、まさに青い小さな花が海のしずくのようにキラキラ輝いていました。この生け垣の上に、洗い立てのリネンを広げて干したらさぞ気持ちの良いことだろうと、昔のヨーロッパ人の知恵に感動しました。


イギリスの民謡、エルフィン・ナイトは、サイモン&ガーファンクルによってスカボローフェアという曲になりました。「パセリ、セージ、ローズマリー、タイム」の一節で有名な曲です。(しばらくのあいだガーデン散歩の歌と思っていました)

映画「卒業」によって世界中に広がり、曲の背景も有名になりました。

歌詞の一説に海辺という言葉がでてきます。

Have her find me an acre of land

Parsley, sage, rosemary and thyme

Between the sea and over the sand

And then she'll be a true love of mine.

1エーカーの土地を 彼女に見つけてもらってください

パセリ、セージ、ローズマリー、タイム

海と岸辺の間にある土地を

そうしたら彼女は私の恋人



境界線に育つハーブ


天に向かって上へ上へと育つ細い葉は、表は濃い緑色で、裏は銀灰色をしています。

さわやかで頭がすっきりする香りをもち、花言葉が「記憶」というのも頷けます。

思い出したいこと、忘れたくないことがあるなら、ローズマリーをいつも目の届くところに。

「昼と夜の思い出のために、つねにあなたが私の目の届くところにいてくれるなら」というローズマリーの伝統唄ものこっています。

記憶の連続性がアイデンティティをより明確にする、ということなら、ローズマリーの香りは此方と彼方の境界線に立って、私たちの古い記憶を呼び覚ます手助けをしてくれるのではないか、と思うこともあります。



魔術から化粧品、厨房から医薬まで


さまざまな分野でその足跡を残してきたローズマリー、古代エジプトの遺跡・墳墓から発見され、古代ギリシャでは神殿を清めるために使われ、中世には悪霊除け、そしてペストの予防に使われてきました。

薬用植物として呼吸器系、循環器系、消化や発毛障害、筋肉痛、神経痛に対して使用されています。

日本ではマンネンロウ(万年郎=永遠の青年)とも呼ばれ、いつまでも若々しさを保つ効能があると考えての命名だそうです。ローズマリーは肉を保存するのに古くから使われてきましたし、抗酸化力に優れていることは現代では周知のとおりです。

​ハンガリアンウォーター(若返りの水)の逸話も有名になり、ローズマリーは現代における「若返り」アイコンを手中にした感もありますね。



魔除け?病原除け?


フランス名で「香木(アンサンシェ)」と呼ばれるローズマリーは、伝統的に病院で薫香として使われてきた歴史があります。

疫病がはやると杖に入れたり、外套の襟袋に入れてその香りで鼻をおおいながら外を歩いたといわれます。

また感染症が広がり人の住まなくなった町でなぜか感染することなく泥棒をくりかえした「4人の泥棒の酢」の逸話でも、そのレシピにローズマリーが含まれています。 ​



ローズマリーを育てたら


雪の降る地域で越冬はできませんが、ベランダで鉢植えを育てるなら多様な使い道があります。

1.葉を摘んで水洗いしお肉料理の香りづけに、オリーブオイルやバターに混ぜて使うと香りがよく立ちます。ニンニクとの相性はばっちり。お酢につけておけばドレッシングに、細かく刻んで塩に混ぜても使い勝手がいいです。

2.500ml程度の水で煮出してハーブ液をお風呂に入れると自家製のハーブ・インバスに。また無水エタノールに1日くらい漬けると美しい緑色のチンキができます。それをスプレー容器に移せば自家製消毒スプレーになります。



ローズマリーのおまじない


昔から悪霊除けに使われていたローズマリー、その葉を枕の下に入れて寝ると、悪夢が近づかないとか。*ここでご紹介する使用方法などは、自分のために自己責任で行って下さい。




*当ブログで紹介している植物の一般的な性質は化粧品の効能を示したものではありません。



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